VisualC++.net でのDXライブラリの使い方


 DXライブラリを使ったソフトの製作には0からはじめると以下のような手順を踏みます。

1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

2.VisualC++.net のDirectXSDKのセッティングをする

3.プロジェクトの作成

4.プロジェクトへDXライブラリファイルを追加

5.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

6.プログラムを組む

7.プロジェクトのビルド、実行



1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

VisualStudio( C++ )用 DXライブラリを使うには以下のものが必要です。

    DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用
    DirectX   9.0以降の SDK
    VisualC++ 6.0以降

 まず一つ目の DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用は本サイトのここからダウンロードすることが 出来ます。これがないととりあえずDXライブラリを使うことが出来ませんのでまだダウンロードされて いない方はダウンロードしてください。

 次にDirectXのSDKですが、これはDirectXを 使用したプログラムを組む際に必ず必要になるソフトとデータの集合です。(厳密には全然違いますが)
 これが無いとDXライブラリを使用することはできません。

 SDKの入手方法は主に二つあります。一つはインターネットから Microsoft社のホームページ に行き、SDKをダウンロードする(無料ですが200MB以上のサイズですので 低速回線の方はご注意)か、またはホームページからCD-ROMを注文する こともできます。こちらは有料となります。
 そのほかの方法としてはパソコン雑誌の付録CDから手に入れる方法です。ですが 毎月SDKが入っているとは限りませんので、確実に手に入れるにはまずMicro soft社のホームページをご覧になられることを推奨します(一応パソコン雑誌も チェックしてみてください)
 SDKのインストールはインストール先はデフォルトのフォルダにし、標準インストール をすることを推奨いたします。

 VisualC++は一番安いパッケージでもきちんと動きますので、ない 場合は買ってください。パソコンショップに行けば大抵は扱っているはずです。



2.VisualC++.netのDirectXSDKのセッティングをする

 1で記述されている二つのアイテムが手に入ったらVisualC++.netでDXライブラリを 使えるようにしなくてはなりません。
 それにはまずVisualC++.netでDirectXのSDKを使えるようにする必要が あります。以下にその方法を記します。

  ① まずVisualC++.netを起動します。

  ② 次にメニューの中から[ツール]→[オプション]でオプション
                          ウインドウを開きます。

  ③ オプションウインドウの左枠内の項目から
     [Projects](若しくは[プロジェクト])→[VC++ディレクトリ]を選びます。

  ④ 『ディレクトリを表示するプロジェクト』項目を『インクルードファイル』
      に設定します。

  ⑤ 次にすぐ下のリスト項目の中にDirectXSDKのインクルード
   ファイルがあるフォルダを追加します。(デフォルトのフォルダにインストー
   ルした場合は『C:\DXSDK\INCLUDE』等(バージョンによって違います))

  ⑥ 追加したフォルダパスをリストの1番上に移動します(新しく追加した行を
   一回クリックして『↑』とかかれたボタンを数回押して移動します)

  ⑦ 『ディレクトリを表示するプロジェクト』を今度は『ライブラリファイル』
      に設定します。

  ⑧ リストの中に今度はDirectXSDKのライブラリファイルがある
    フォルダのパスを追加します。(デフォルトのフォルダにインストールした
    場合は『C:\DXSDK\LIB』(バージョンによって違います))

  ⑨ 追加したフォルダパスを今度もリストの1番上に移動します。

  ⑩ 『OK』ボタンを押して完了です。


 これでDXライブラリを使う準備は整いました。
(注…なお、最近のSDKではインストール時の選択によりなにもしなくても自動的に この作業をインストーラーが行ってくれる場合があります、その場合は上記の作業をする必要はありません。)



3.プロジェクトの作成

 さてライブラリを使うための準備はこれで整ったわけですが、実際にDXライブラリを 使ったソフトウェアを作成する方法を知らないことには何も出来ません。
 そこでここでは一つのサンプルプログラムを動かすところまでを記したいと思います。 そのサンプルでやる事はただ一つ、『画面の中心に点を打つ』これだけです。
 VisualC++.netでソフトを作るにはまず『プロジェクト』を作成する必要があるので 以下にその方法を示します。

 なお、デフォルトでは VC++.net は起動するとスタートページが表示され、『プロジェクトを 作成するか?』と表示されますが、次に示す手順はこのスタートページを使わない基本的な 方法を使います。

   ① VisualC++.netのメニューの
           『ファイル』→『新規作成』→『プロジェクト』を選びます。

   ② 『プロジェクトの種類』項目から『VisualC++プロジェクト』を選びます。

   ③ 『テンプレート』項目から『Win32 プロジェクト』を選びます。

   ④ 次にプロジェクトを作成するフォルダパスを『場所』で設定します。

   ⑤ 次にプロジェクトの名前を『プロジェクト名』に入力します。
                       ここでは仮に『test』とします。

   ⑥ (『ソリューションを閉じる』を選択して)『OK』を押します。

   ⑦ すると次に『Win32アプリケーションウィザード』ウインドウが出るので
    ウインドウの左側にある『アプリケーションの設定』を選択します。

   ⑧ すると右側になにやら沢山項目が出てきますが、『追加のオプション』欄の
      『空のプロジェクト』にだけチェックをいれて下の『完了』ボタンをします。



4.プロジェクトへDXライブラリファイルを追加

 これでプロジェクトは生成されました。
 次に行うべき作業は新しく生成されたプロジェクトのフォルダにDXライブラリの ソースファイルをコピーし、更にプロジェクトに追加する事です。

   ① 生成する時に指定したフォルダにDXライブラリのファイル
   『DxLib.lib DxLib.h』
     及び以下のファイル
   『zlib.lib libpng.lib libjpeg.lib ogg_static.lib
   vorbis_static.lib vorbisfile_static.lib 』
     をコピーします。ファイルはDXライブラリを解凍したフォルダの中の
    『プロジェクトに追加すべきファイル_VC用』という長いフォルダ名のフォルダに
    すべて入っています。
   ② 次にVisualC++.netのメニューから[プロジェクト]→
     [既存項目の追加]を選び、「DxLib.h」を追加します。



5.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

 これでようやくDXライブラリを使うための準備がすべて整いました。あとは プログラム本体を作成し、実行するだけです。
 次に新規のプログラムファイルを一つ作成しプロジェクトに追加します。

  ① VisualC++.netのメニューから
    『プロジェクト』→『新しい項目の追加』を選び、『新しい項目の追加』を
    開きます。

  ② ウインドウ左側の『カテゴリ』から『VisualC++』を選び、右の『テンプレート』
     からは『C++ファイル(cpp)』を選び、下の『ファイル名』欄にファイル名
     を入力し(ここでは仮に『DrawPixelとします』)、『開く』ボタンを押します。

 新たに作成されたプログラムファイルは何も書かれていないので次に示すプログラムを 入力します。



6.プログラムを組む

 後はプログラムを組むだけです。
今回サンプルとして実行するプログラムは次のようになります。

#include "DxLib.h" // プログラムは WinMain から始まります int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow ) { if( DxLib_Init() == -1 ) // DXライブラリ初期化処理 { return -1 ; // エラーが起きたら直ちに終了 } DrawPixel( 320 , 240 , GetColor( 255,255,255 ) ) ; // 点を打つ WaitKey() ; // キー入力待ち DxLib_End() ; // DXライブラリ使用の終了処理 return 0 ; // ソフトの終了 }



 プログラムはこれだけです、どの部分が何をしているのか簡単に説明します。 まず最初の1行はDXライブラリを使用するために必要なファイルをインクルードしています。
 次の『int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow )』はウインドウズのプログラムのスタート地点となる 関数の宣言です。それぞれの単語が何を意味しているかは特に考える必要はありません。 ウインドウ環境のスタート関数はすべてこの形の宣言をとります。
 中括弧関数最初の文『if( !DxLib_Init() ) return -1;』はDXライブラリを 初期化して使える状態にするために必要な関数『DxLib_Init』を呼んでいます。 この関数はDXライブラリを使うプログラムを組む際には例外を除いてまず 最初に呼び出す必要があります。因みに『if(...』と書かれているのは初期化に 失敗したらその時点でソフトを終了させるという処理を行うための物です。
 『DrawPixel』はそのまま点を描画するための関数です。
 その次の『WaitKey』はキーが押されるまで処理を止める関数です。
 最後の『DxLib_End() ;』は注釈にも書いてある通りDXライブラリの使用を 終了する処理を行う関数を読んでいる文です。DXライブラリを使用している プログラムは最後に必ずこの関数を呼ばなくてはなりません。これを呼ばないで終ると 大変な事になりますので注意してください。



7.プロジェクトのビルド、実行

 入力が終ったら実行してみましょう。実行するためには

  ① VisualC++.netのメニューから[デバッグ]→[開始]

  ② すると『プロジェクトの構成が変更されています ビルドしますか?』と
   出るので『はい』を押します。

  ③ エラーがなければ実行されます。エラーがあった場合は画面下のウインドウ
   にエラー内容が出てきますので指示にしたがって修正してください。

 さて画面中心に点がうたれたでしょうか?
 実行するまでにかなり長かったような気がしますがその殆どがVisualC++.netでの ソフトウエア制作に必ず必要な作業ですので幾つかプログラムを組んでいけばすぐに慣れて しまう筈です。


 さて出来あがった実行可能ファイルですが、それはプロジェクトのフォルダの中の『Debug』 フォルダか『Release』フォルダの中に作成されます。これがこれまでの作業の成果となります。
 これでDXライブラリを使ってのソフト制作の方法はわかりました。後は好きに プログラムを組んでゲームを作るだけです。ですがまだDXライブラリの機能は 初期化と終了とドットを描画する関数しかわかっていません。  この他の関数はDXライブラリ関数リファレンスのページで解説されていますのでそちらを 参照して下さい。





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