VisualStudio.NET2003を使用した場合のDXライブラリの使い方


 VisualStudio.NET2003 を使用してDXライブラリを使ったソフトを制作するには以下のような手順を踏みます。

1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

2.VisualStudio.NET2003 でDXライブラリを使うための設定を行う

3.プロジェクトの作成

4.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

5.プログラムを組む

6.DXライブラリを使用するためのプロジェクトの設定を行う

7.プロジェクトのビルド、実行



1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

VisualStudio.NET2003 でDXライブラリを使うには以下のものが必要です。

    VisualStudio.NET2003
    DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用

 まず VisualStudio.NET2003 は、手元にありますね。
 次の DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用は本サイトのここからダウンロードすることが 出来ます。これがないとDXライブラリを使うことが出来ませんので、まだダウンロードされて いない方はダウンロードしておいてください。



2.VisualStudio.NET2003 でDXライブラリを使うための設定を行う

 必要なアイテムが揃ったところで、今度はVisualStudio.NET2003 の設定を少し変更して、DXライブラリのファイルにPC上の何処にあるプロジェクトからもアクセスできるようにします。

 @ VisualStudio.NET2003 のメニューの『ツール』→『オプション』を選びます。

 A オプションウインドウの左側から『プロジェクト』→『VC++ ディレクトリ』を選びます。

 B 右側の『ディレクトリを表示するプロジェクト』から『インクルードファイル』を選びます。

 C ディレクトリリストにDXライブラリのパッケージ内に入っている
        『プロジェクトに追加すべきファイル_VC用』フォルダのパスを追加します。

 D 『ディレクトリを表示するプロジェクト』を今度は『ライブラリファイル』にします。

 E ディレクトリリストにCと同じく
        『プロジェクトに追加すべきファイル_VC用』フォルダのパスを追加します。

 F 『OK』ボタンを押して設定完了です。



3.プロジェクトの作成

 設定が完了したところで早速一つ簡単なソフトを作ってみましょう。
 ここでは『画面の中心に点を打つ』という動作をするソフトを作る手順を記したいと思います。
 VisualStudio.NET2003でソフトを作るにはまず『プロジェクト』を作成する必要があるので以下にその方法を示します。

 なお、デフォルトでは VisualStudio.NET2003 は起動するとスタートページが表示され、『プロジェクトを 作成するか?』と表示されますが、次に示す手順はこのスタートページを使わない基本的な 方法を使います。

   @ VisualStudio.NET2003 のメニューの
           『ファイル』→『新規作成』→『プロジェクト』を選びます。

   A 『プロジェクトの種類』項目から『VisualC++プロジェクト』→『Win32』を選びます。

   B 『テンプレート』項目から『Win32 プロジェクト』を選びます。

   C 次にプロジェクトを作成するフォルダパスを『場所』で設定します。

   D 次にプロジェクトの名前を『プロジェクト名』に入力します。
                       ここでは仮に『test』とします。

   E 『OK』を押します。

   F すると次に『Win32アプリケーションウィザード』ウインドウが出るので
    ウインドウの左側にある『アプリケーションの設定』を選択します。

   G すると右側になにやら沢山項目が出てきますが、『追加のオプション』欄の
      『空のプロジェクト』にだけチェックをいれて下の『完了』ボタンをします。



4.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

 次に新規のプログラムファイルを一つ作成しプロジェクトに追加します。
 ソフト作りのメインとなるプログラムファイルの追加です。

  @ VisualStudio.NET2003 のメニューから
    『プロジェクト』→『新しい項目の追加』を選び、『新しい項目の追加』を
    開きます。

  A ウインドウ左側の『カテゴリ』から『VisualC++』を選び、右の『テンプレート』
     からは『C++ファイル(cpp)』を選び、下の『ファイル名』欄にファイル名
     を入力し(ここでは仮に『DrawPixelとします』)、『開く』ボタンを押します。

 新たに作成されたプログラムファイルは何も書かれていないので、次に示すプログラムを 入力します。



5.プログラムを組む

 まだプロジェクトの設定は終わっていないのですが、次にプログラムを組んでしまいます。
今回サンプルとして実行するプログラムは次のようになります。

#include "DxLib.h" // プログラムは WinMain から始まります int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow ) { if( DxLib_Init() == -1 ) // DXライブラリ初期化処理 { return -1 ; // エラーが起きたら直ちに終了 } DrawPixel( 320 , 240 , GetColor( 255,255,255 ) ) ; // 点を打つ WaitKey() ; // キー入力待ち DxLib_End() ; // DXライブラリ使用の終了処理 return 0 ; // ソフトの終了 }



 プログラムはこれだけです、どの部分が何をしているのか簡単に説明します。 まず最初の1行はDXライブラリを使用するために必要なファイルをインクルードしています。
 次の『int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow )』はウインドウズのプログラムのスタート地点となる 関数の宣言です。それぞれの単語が何を意味しているかは特に考える必要はありません。 ウインドウ環境のスタート関数はすべてこの形の宣言をとります。
 中括弧関数最初の文『if( !DxLib_Init() ) return -1;』はDXライブラリを 初期化して使える状態にするために必要な関数『DxLib_Init』を呼んでいます。 この関数はDXライブラリを使うプログラムを組む際には例外を除いてまず 最初に呼び出す必要があります。因みに『if(...』と書かれているのは初期化に 失敗したらその時点でソフトを終了させるという処理を行うための物です。
 『DrawPixel』はそのまま点を描画するための関数です。
 その次の『WaitKey』はキーが押されるまで処理を止める関数です。
 最後の『DxLib_End() ;』は注釈にも書いてある通りDXライブラリの使用を 終了する処理を行う関数を読んでいる文です。DXライブラリを使用している プログラムは最後に必ずこの関数を呼ばなくてはなりません。これを呼ばないで終ると 大変な事になりますので注意してください。



6.DXライブラリを使用するためのプロジェクトの設定を行う

 プログラムが完成したから実行!といきたいところですが、次はDXライブラリを使用するプログラムのコンパイルに必要なプロジェクトの設定を行います。
 具体的には、DXライブラリはコンパイル時にマルチスレッド用ライブラリを使用するように設定されているので、DXライブラリを使用するソフトウエアも使用するライブラリをマルチスレッド用に変更する必要があります。

 @ VisualStudio.NET2003 のメニューの『プロジェクト』→
                          『(プロジェクト名)のプロパティ』を選びます。

    ((プロジェクト名)の部分は、今回は『test』になっている筈です)

   A 左側のリストから『構成プロパティ』→『C/C++』→『コード生成』を
      選びます。

   B ダイアログ右側に表示されている『ランタイム ライブラリ』の項目を
      『マルチスレッド デバッグ(/MTd)』に変更します。

   C ダイアログの左上にある『構成(C)』と書かれている項目を『アクティブ(Debug)』から
      『Release』に変更します。

   D ダイアログ右側に表示されている『ランタイム ライブラリ』の項目を
      今度は『マルチスレッド(/MT)』に変更します。

   E 最後にダイアログの下の方にある『OK』を押してダイアログを閉じます。



7.プロジェクトのビルド、実行

 実行する準備が完了したので、早速実行してみましょう。プログラムを実行するためには

  @ VisualStudio.NET2003 のメニューから[デバッグ]→[開始]

  A すると『プロジェクトの構成が変更されています ビルドしますか?』と
   出るので『はい』を押します。

  B エラーがなければ実行されます。エラーがあった場合は画面下のウインドウ
   にエラー内容が出てきますので指示にしたがって修正してください。

 さて画面中心に点がうたれたでしょうか?
 実行するまでにかなり長かったような気がしますがその殆どが VisualStudio.NET2003 での ソフトウエア制作に必ず必要な作業ですので幾つかプログラムを組んでいけばすぐに慣れて しまう筈です。


 さて出来あがった実行可能ファイルですが、それはプロジェクトのフォルダの中の『Debug』 フォルダか『Release』フォルダの中に作成されます。これがこれまでの作業の成果となります。
 これでDXライブラリを使ってのソフト制作の方法はわかりました。後は好きに プログラムを組んでゲームを作るだけです。ですがまだDXライブラリの機能は 初期化と終了とドットを描画する関数しかわかっていません。  この他の関数はDXライブラリ関数リファレンスのページで解説されていますのでそちらを 参照して下さい。





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