Visual Studio Community 2015 を使用した場合のDXライブラリの使い方


 Visual Studio Community 2015 を使用してDXライブラリを使ったソフトを制作するには以下のような手順を踏みます。

1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

2.プロジェクトの作成

3.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

4.DXライブラリを使用するためのプロジェクトの設定を行う

5.プログラムを組む

6.プロジェクトのビルド、実行



1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える

Visual Studio Community 2015 でDXライブラリを使うには以下のものが必要です。

    ・Visual Studio Community 2015
    ・DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用

 まず Visual Studio Community 2015 は、 プログラムをコンパイルして実行可能なソフトを作成する為のメインとなるソフトです。
 こちらはマイクロソフトのこちらのページ『Visual Studio 2015 およびその他の製品』 と書かれている項目の『ダウンロード』から無償で入手することができますので、ありがたくダウンロード&インストールさせてもらって下さい。
( ただ、ダウンロードするためには無償サービスの Microsoft Dev Essentials に登録する必要があります )

 二つ目の DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用は本サイトのこちらのページからダウンロードすることができます。 これがないとDXライブラリを使うことができませんので、まだダウンロードされていない方は『DXライブラリ Windows版 VisualStudio( C++ )用』をダウンロードしておいてください。



2.プロジェクトの作成

 ソフトウエアを開発する準備ができましたので、早速一つ簡単なソフトを作ってみましょう。
 ここでは『画面の中心に点を打つ』という動作をするソフトを作る手順を記したいと思います。
 Visual Studio Community 2015 でソフトを作るにはまず『プロジェクト』を作成する必要があるので以下にその方法を記します。

   @ Visual Studio Community 2015 のメニューの『ファイル』→
         『新規作成』→『プロジェクト』を選んで『新しいプロジェクト』ダイアログを表示します。

    もし日本語版を使用したいのにここで英語表示の Visual Studio Community 2015 が起動してしまったら、
   英語版の Visual Studio Community 2015 をインストールしてしまっています。
    その際は一度 Visual Studio Community 2015 をアンインストールして、
   『1.DXライブラリを使うために必要なものを揃える』に張られているリンクのページから日本語版の
   Visual Studio Community 2015 をダウンロード&インストールしてください。
   ( 日本語の Visual Studio のページから英語版の Visual Studio Community 2015 のダウンロードが
    できてしまうページがあるようです )


   A ダイアログ左側の項目から『インストール済み』→『テンプレート』→『Visual C++』を選びます。

   B ダイアログ右側に『Visual C++ 2015 Tools for Windows Desktop をインストール』という項目が
    表示されていたら、それを選択して『OK』ボタンをクリックします。
     Win32用アプリを作成するために必要な機能をインストールするかどうかを訊ねられますので、
    『インストール』をクリックして、機能をインストールします。
     インストールには Visual Studio Community 2015 を一度終了する必要がありますので、
    インストールが完了したら手順@からやり直してください。

   『Visual C++ 2015 Tools for Windows Desktop をインストール』という項目が無ければCに進んでください。

   C ダイアログ左側の項目から『インストール済み』→『テンプレート』→
                       『Visual C++』→『Win32』を選びます。

   D ダイアログ右側の項目から『Win32 プロジェクト』を選びます。

   E 次にプロジェクトを作成するフォルダパスを『場所(L)』で設定します。

   F 次にプロジェクトの名前を『名前(N)』に入力します。
                       ここでは仮に『test』とします。

   G 『ソリューションのディレクトリを作成』のチェックを外してから『OK』をクリックします。

   H 次に『Win32アプリケーションウィザード』ウインドウが出るので
      ウインドウの左側にある『アプリケーションの設定』を選択します。

   I すると右側になにやら沢山項目が出てきますが、『追加のオプション』欄の
      『空のプロジェクト』にチェックをいれて下の『完了』ボタンを押します。

 これでプロジェクトの作成は完了です。



3.プロジェクトへ新規プログラムファイルを作成・追加

 『プロジェクト』の作成が済みましたので、 次にソフトウエアの本体であるプログラムを記述するためプログラムファイルを新規に一つ作成してプロジェクトに追加します。

  @ Visual Studio Community 2015 のメニューから
    『プロジェクト』→『新しい項目の追加』を選び、『新しい項目の追加』ダイアログを開きます。

  A ウインドウ左側の『インストール済み』から『VisualC++』を選び、
     右側の項目からは『C++ファイル(.cpp)』を選び、下の『名前(N)』欄にファイル名
     を入力し(ここでは仮に『DrawPixelとします』)、『追加』ボタンをクリックします。

 これでプログラムファイルの新規追加は完了ですが、
一番最初のプログラムファイルを追加した時だけ、次の作業を行ってください。



4.DXライブラリを使用するためのプロジェクトの設定を行う

 早速プログラムを組みたいところですが、最初のプログラムファイルを追加した後はDXライブラリを使用するプログラムのコンパイルに必要なプロジェクトの設定を行います。
 ちょっと操作の数が多くてうんざりしますが、ソフト1つにつき一回だけですので、根気よく手順を追ってください。

  @ Visual Studio Community 2015 のメニューの
      『プロジェクト』→『(プロジェクト名) のプロパティ』を選んで、
      プロジェクトのプロパティダイアログを開きます。
    ((プロジェクト名)の部分は、今回は『test』になっている筈です)

  A 次にダイアログの左上にある『構成(C)』と
     書かれている項目を『アクティブ(Debug)』から『すべての構成』に変更します。

  B 次にダイアログの左側のリストから『構成プロパティ』→『全般』を選びます。

  C 次にダイアログ右側に表示されている『文字セット』の項目を
     『マルチ バイト文字セットを使用する』に変更したあと、ダイアログ右下にある『適用』ボタンを押します。

  D 次に左側のリストから『構成プロパティ』→『C/C++』→『全般』を選びます。

  E 次に右側に表示されている『追加のインクルードディレクトリ』の項目にDXライブラリのパッケージ内に
             入っている『プロジェクトに追加すべきファイル_VC用』フォルダのパスを入力してから、
             再度ダイアログ右下にある『適用』ボタンを押します。
    ( パスの例→  c:\DxLib_VC\プロジェクトに追加すべきファイル_VC用
      尚、DXライブラリをマイドキュメントフォルダに入れるとこれらのパス指定が面倒になりますので
      DXライブラリはなるべく浅いフォルダに入れておくことをお勧めします )

  F 次に左側のリストから『構成プロパティ』→『リンカー』→『全般』を選びます。

  G 次に右側に表示されている『追加のライブラリディレクトリ』の項目にEと全く同じDXライブラリの
            パッケージ内に入っている『プロジェクトに追加すべきファイル_VC用』フォルダのパスを
            入力してから、再度ダイアログ右下にある『適用』ボタンを押します。

  H 次にダイアログの左上にある『構成(C)』と書かれている項目を『すべての構成』から
     『Release』に変更します。

  I 左側のリストから今度は『構成プロパティ』→『C/C++』→『コード生成』を選びます。

  J ダイアログ右側に表示されている『ランタイム ライブラリ』の項目を
     『マルチスレッド(/MT)』に変更したあと、ダイアログ右下にある『適用』ボタンを押します。

  K ダイアログの左上にある『構成(C)』と書かれている項目を『Release』から
     『Debug』に変更します。

  L ダイアログ右側に表示されている『ランタイム ライブラリ』の項目を
     今度は『マルチスレッド デバッグ(/MTd)』に変更します。

  M 最後にダイアログの下の方にある『OK』を押してダイアログを閉じます。

 以上です、お疲れ様でした。
 さて、新たに作成されたプログラムファイルには何も書かれていないので、
次に示すプログラムを入力します。



5.プログラムを組む

 後はプログラムを組むだけです。
今回サンプルとして実行するプログラムは次のようになります。

#include "DxLib.h" // プログラムは WinMain から始まります int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow ) { if( DxLib_Init() == -1 ) // DXライブラリ初期化処理 { return -1 ; // エラーが起きたら直ちに終了 } DrawPixel( 320 , 240 , GetColor( 255,255,255 ) ) ; // 点を打つ WaitKey() ; // キー入力待ち DxLib_End() ; // DXライブラリ使用の終了処理 return 0 ; // ソフトの終了 }



 プログラムはこれだけです、どの部分が何をしているのか簡単に説明します。 まず最初の1行はDXライブラリを使用するために必要なファイル( DxLib.h )をインクルードしています。
 次の『int WINAPI WinMain( HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow )』は Windows用ソフトのプログラムのスタート地点となる関数の宣言です。それぞれの単語が何を意味しているかは特に考える必要はありません。 ウインドウ環境のスタート関数はすべてこの形の宣言をとります。
 中括弧関数最初の文『if( DxLib_Init() == -1 ){ return -1 ; }』はDXライブラリを初期化して使える状態にするために必要な関数『DxLib_Init』を呼んでいます。 この関数はDXライブラリを使うプログラムを組む際には例外を除いてまず最初に呼び出す必要があります。 因みに『if(...』と書かれているのは初期化が失敗したらその時点でソフトを終了させるという処理を行うための物です。
 『DrawPixel』はそのまま点を描画するための関数です。
 その次の『WaitKey』はキーが押されるまで処理を止める関数です。
 最後の『DxLib_End() ;』は注釈にも書いてある通りDXライブラリの使用を終了する処理を行う関数を呼んでいる文です。 DXライブラリを使用しているプログラムは最後に必ずこの関数を呼ばなくてはなりません。



6.プロジェクトのビルド、実行

 入力が終ったら実行してみましょう。実行するためには

  @ Visual Studio Community 2015 のメニューから[デバッグ]→[デバッグ開始]

  A すると『このプロジェクトは変更されています ビルドしますか?』と出るので『はい』を押します。

  B エラーがなければ実行されます。エラーがあった場合は画面下のウインドウ
     にエラー内容が出てきますので指示にしたがって修正してください。

 画面中心に点が描画されたでしょうか?
 実行するまでにかなり長かったような気がしますがその殆どが Visual Studio Community 2015 でのソフトウエア制作に必ず必要な作業ですので幾つかプログラムを組んでいけばすぐに慣れてしまう筈です。


 さてできあがった実行可能ファイルですが、それはプロジェクトのフォルダの中の『Debug』フォルダか『Release』フォルダの中に作成されます。これがこれまでの作業の成果となります。
 これでDXライブラリを使ってのソフト制作の方法はわかりました。後は好きにプログラムを組んでゲームを作るだけです。ですがまだDXライブラリの機能は初期化と終了とドットを描画する関数しかわかっていません。
 この他の関数はDXライブラリ関数リファレンスのページで解説されていますのでそちらを参照して下さい。





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